●26/3/1〜5/10 箱根で山歩しよう YAMAPデジタルバッジキャンペーンを開催予定!
本記事は((わくわくコース))を山歩しています。
このコースを歩くなら、スマホがナビになる無料アプリ『YAMAP』がおすすめ。記事のルートをそのまま地図上で確認できます。
ぜひこの機会に足をお運びください。
朝10時半。箱根登山電車に揺られ、宮ノ下駅に降り立つ。
箱根湯本よりさらに奥、強羅よりは少し手前。箱根山のちょうど中腹にあたる場所だ。
今回箱根を旅するのは、大のサウナ好きとして知られる清水みさとさん。各地のサウナや温泉を通して、さまざまな自然に触れてきたみさとさんは、この箱根の地で何を感じるのだろうか。
箱根の朝は湿度が高く、霧が立ち込めることも多いが、日が高くなるにつれて空気は澄んでいく。
宮ノ下駅も、降り立った瞬間から視界がひらけ、旅の始まりを告げるような景色が迎えてくれた。
そんな景色を横目に、すぐの場所にあるのが「NARAYA CAFE」。景色をじっくり堪能するのにもってこいだ。
名前は“カフェ”とあるものの、その中身は実に多彩で、ギャラリーやショップ、足湯に加え、なんとサウナまで備えている。
サウナと聞いて、みさとさんが素通りするはずもない。
旅は始まったばかりだが、水着も持参し、「一番風呂」ならぬ「一番サウナ」をいただくことに。

宮ノ下の地で300年以上続いた奈良屋旅館(2001年閉館)の名を引き継ぎ、
かつて従業員寮として使われていた建物を改築して2007年に誕生した。
サウナ室があるのは、かつての床下倉庫。
この空間を見たオーナーのご夫婦と建築家のご友人が、
「サウナにちょうどいい広さだね」とひらめいたことがきっかけなのだそう。
サウナはフィンランド式で、設定温度が70°と低めなので初心者の方にもおすすめ。


デッキに出れば、箱根の山々を望みながら外気浴も楽しめる。

さらに階段を降りると不思議な休憩スペースも現れ、建物内の探索も楽しい。
サウナはリフレッシュするために入るイメージがあるけれど、みさとさんはサウナに入ってから散歩することも多いのだそう。
「身体がすっきりして軽くなるので、歩く前にサウナに入るのも気持ちいいんですよ。
特に寒い時期は、温まった状態で外を歩くと、ひんやりした空気が心地よくて、つい歩きすぎちゃうんです」
ちなみに、サウナの利用は時間指定の予約制(2時間)。午後に予約をしておいて、下山後に汗を流しつつサウナに入るのもオススメだ。
まだ一日の始まりで、時間にも余裕がある。せっかくなので、足湯にも浸かってカフェで小腹を満たすことに。
あんこのひょうたん最中「ならやん」の抹茶セット。あんは4種から選べる。
「足湯ってずっと入っていられるから、景色をたっぷり堪能できて
視力が良くなった気がします(笑)」とみさとさん。足湯は予約不要でいつでも入れる。
オーナーの安藤さんは、奈良屋旅館の大女将のお孫さん。
旅館自体は解体されてしまったものの、名前を引き継ぎながら、家族や友人、地元の職人とともに、
この場所を“楽しみながら”育ててきたことが伝わってくる。
建物はオープン以来、改築を重ねて拡張し続けているようで、まるでサグラダファミリア。


建物の中はどこにいても、自然の気配を感じられるつくりになっている。
旅先で誰かに迎え入れてもらえるとやっぱり嬉しいもの。人の温かさにも触れ、心も身体もすっかり温まったところで、いよいよ散策へ。
坂を下ると辿り着くのが「セピア通り」だ。老舗ホテルや写真館、工芸品店など、明治・大正期の建物が残り、
日本と西洋文化が溶け合ったノスタルジックな雰囲気が漂っている。
そんな通りを歩く中、香ばしい匂いに誘われて立ち寄ったのは、1891年創業の「渡邊ベーカリー」。
かつてこの一帯は「温泉村」と呼ばれ、良質な温泉と湧き水に恵まれた箱根七湯のひとつとして知られていたと言う。渡邊ベーカリーは、そうした土地の水と食材を生かし、焼きたてのパンで旅人をもてなしたいという想いから生まれた老舗だ。
豊富なラインナップの中から、名物の梅干しあんぱんと温泉シチューパンを購入。気になったものを食べ歩いていくのも旅の醍醐味。ついさっきカフェで休んだばかりだけど、さっそくパンも頬張って元気をさらにチャージする。
お店の前には宮ノ下温泉が湧き出ている。
温泉シチューパンは、創業当時から受け継がれるフランスパンを器に、
具だくさんのビーフシチューがたっぷり注がれた一品。
梅干しあんぱんは「あんこに梅干しが丸ごと入っていて、甘さと酸味のバランスが絶妙!」とみさとさん。
ワンハンドで食べられるので、山登りのお供にもぴったり。
渡邊ベーカリーを後にし、山道を歩くこと約8分。宮ノ下駅と小涌谷駅の中間にある「蛇骨橋」に辿り着く。
電車の音がする方へと視線を向けると、崖の斜面に架かる橋梁を、箱根登山電車が通っていく様子が迫力たっぷりに目に飛び込んでくる。
この橋梁は、2019年の台風19号による土砂災害で一度崩壊したものの、迅速な復旧工事により、当初1年以上と見込まれていた運休期間を9ヶ月に短縮してできたものだ。その背景を思うと、目の前の景色がより雄大に感じられる。



ここを訪れたら、橋梁を進む電車の様子は見ておきたいところ。
いろいろとつまみ食いをしながら散策してきたものの、しっかり歩いてお腹が空いてきたので昼食に。
蛇骨橋から小涌谷駅方面へ歩き、住宅街の一角に佇む「HAKONE PICNIC」へ向かう。台湾人夫婦が営むこの店では、定番のルーローハンやジースーハン(ふんわりほぐした鶏肉に台湾フライドオニオンの特製ダレをかけた一品)、スイーツの豆花など、本場の台湾料理が堪能できる。
「ジースーハンは初めてでしたが、ルーローハンよりもさっぱりしていて美味しい! 豆花は甘すぎずヘルシーで、あっという間に食べれちゃいますね」と、ぺろりと完食したみさとさん。
居心地のよい空間に名残を感じつつ、再び自然の中へ。



「シナモン風味 リンゴの豆花」は台湾でも珍しい組み合わせなのだそう。
美味しいものはいくら食べても幸せ。
しっかりお腹が満たされ、ここからは自然を求めて少し深い山道を目指す。HAKONE PICNICを出てすぐの一本道をまっすぐ歩き、矢印看板に従って曲がると、木々に囲まれた道が現れる。
つい先ほどまで住宅や宿泊施設が並んでいたけれど、気づけば山の奥へ来ていたらしい。頭上を囲うように茂る木々の中を歩いていくと、水のせせらぎが聞こえてくる。少し視界がひらけた先にあるのが、「千条の滝」だ。
蛇骨川上流に位置し、高さ約3mの岩盤を幅20mにわたって流れるこの滝は、水が幾筋にも分かれ、千の糸のように流れ落ちる様子から名付けられたという。少し歩いただけでこんなに深い自然があるとは驚きだ。




長い年月の間ほとんど知られていなかったが、三河屋旅館の創業者・榎本恭三が
この滝の素晴らしさを伝えるため、道を整備したことで広く知られるようになったという。
苔むした荒々しい岩肌を、細い水筋が流れる様子は繊細で美しい。そんな水にそっと手を触れてみると…「あれ!ぬるぬるとして温かい」とみさとさん。
実は、この滝には温泉が混ざっているのだそう。そのためか、あたりの湿度が心地よく、身体にやさしく染み渡っていくのを感じる。

周辺にはモミジやカエデが多く、秋の紅葉が見事で、
6月上旬頃にはゲンジボタルが飛び交い幻想的な風景が広がるという。ほかの季節もぜひ訪れたい。
自然に浸った後、再び道を戻ると庭園が見えてくる。
「蓬莱園」と書かれたこの場所は、箱根ホテル小涌園に併設された庭園で、誰でも自由に散策できる。先ほどの千条の滝への道を整備した三河屋旅館の創業者・榎本恭三が、大正初期に開いた16,000㎡の庭園だ。
4月下旬から5月中旬には約40種類約3万株のツツジの花が咲き誇る名所だけれど、訪れたのはまだ花が芽吹く前。
それでも、整えられた植栽のスケールに圧倒される。


花が咲いたらどんな景色になるのだろう、と想像するだけで楽しい。


そんな箱根ホテル小涌園を出てすぐ向かいにあるのは、「箱根小涌園ユネッサン」。
水着で遊べる温泉のユネッサン、飲食店や娯楽施設が集まるミーオモール、庭園露天風呂のある森の湯から成る、温泉づくしのテーマパークで、
たっぷり歩いた後の汗を流し、温泉で癒されるのにぴったり。
ランチ利用者は森の湯に入れるので、日帰りでサッと立ち寄って温泉でひと息つき、帰り支度やお土産の購入までここで完結できる。
ゆっくり過ごしたいときは、目の前の箱根ホテル小涌園に泊まる手もあり、宿泊者はユネッサンと森の湯が入り放題でさらに満喫できる。
日帰りで楽しめる気軽さもありながら、時間をゆったりと使って過ごせるのも箱根の魅力だ。
text:林亜華音
photo:木本日菜乃
((わくわくコース))サウナ、滝、温泉。歩いて浸って味わう、箱根・小涌谷の自然
おすすめポイント
- サウナ・温泉・滝まで。五感で味わう箱根の自然
- 駅から駅へ、無理なく楽しめる自然散策
- 日帰りも宿泊も自由自在な、ちょうどいい旅の余白
この旅について
箱根湯本から箱根登山電車で約30分。箱根山の中腹に位置する、小涌谷・宮ノ下エリア。 箱根全体で見れば玄関口寄りにあたるが、温泉施設や自然スポットがほどよい距離感で点在し、気軽に散策を楽しめるエリアだ。 駅から駅までの距離はおよそ30分ほどで、少し歩きたいときにもちょうどいい。 都内で一駅分を歩くのとはまったく違う、自然を全身で味わう時間が流れている。
紹介する人
10:30
宮ノ下駅
START!
徒歩1分
10:30
NARAYA CAFE
60分
徒歩で10分
11:40
渡邊ベーカリー
10分
徒歩で20分
12:10
HAKONE PICNIC
60分
徒歩で15分
13:25
千条の滝
15分
徒歩で10分
13:50
小涌谷蓬莱園
20分
徒歩で5分
14:15
箱根ホテル小涌園
10分
徒歩で2分
14:30
箱根小涌園 元湯 森の湯
COMPLETE!
